まじめんたる

モノ、コト、サービスについての体験を書いています

会社に「主語がない」メールが蔓延する理由とその対策

学生時代、あれだけ国語の時間に「この文章の主語は誰でしょう?」という問いに答えてきたのに、社会には主語がない会話や連絡があふれています

 

また、その様子に対して

「だから日本語はダメなんだ」

「英語は主語が明確だからいい」

という批判が散見されます。

 

ただ、もう少し踏み込んで考えないと日常にその意味を浸透させられませんので、整理してみました。

 

まとめ

 

そしたら、「主語がない」ってむしろハイレベルじゃない?!

ということに気がつきました。

 

たとえばこういうこと

たとえばこんな報告メールがあるとします。

「もう少しデータの精度をあげませんと、商品の欠陥につながる可能性があるので、できうる限りデータを精査する必要があります。」

 

この文章でやらなければならないと読める部分は「データを精査する」ということです。

ただ、誰がそれをするのかは書かれていません。

 

その結果、誰も精査をせず、防げたはずの商品の欠陥もそのままになってしまうかもしれません。

 

「それがよくない!」と指摘する第三者

会社も、そんな欠陥頻発の組織に業を煮やし、外部からやり手をヘッドハンティングしてきたり、コンサルを入れたりします。

 

そこで、外部から来た彼らが口々に言うのが冒頭の言葉です。

「業務フローが属人的で責任の所在が曖昧」

ヒアリングしても皆に主語がない」

結果、組織としての体をなしていないと診断されるのです。

 

一応、主語がないにも理由がある

コンサルの言うことはもっともなのですが、中の人を色々経験している身からすると、別に、中の人も好んで主語を抜いているわけではないと思うのです。

 

主語を、抜くべき状況だから抜いていることもあるのではないでしょうか。

 

誰が何をやるのか曖昧だけど…でも、空気読めばわかるよね?

中の人たちの大部分がそう思っているから主語が抜けていることが往々にしてあります。

 

なぜそうなのかというと、

・「とりあえず議題を提起しておけば○○部のあの人あたりがやるだろうし。でも、自分が直接言うのはちょっと違うから、気づいてもらえばいいや。」という計算

・「それにもし、そこでスルーされちゃっても、他の誰かは気がつくはず。後は組織の自浄作用でカバーされちゃうでしょ。」という目算

 

冒頭で言いましたが、これって、ある意味極めてハイレベルなコミュニケーションです。明文化されていない関係から始め、最終的には「空気読め」ですから。

 

「空気読め」の前では、どんなソリューションも子供っぽく見えてしまう

中の人が長い長い社員同士の信頼の中で作り上げたのは、「空気を読みつつ最適化された明文化されていない役割分担」です。

それに対して、コンサルの主張する「だーかーら!主語がないとわかんないでしょ?誰が何するのかって!」という物言いは非常に子供っぽくうつってしまうのですよね。

 

でも、経営者視点や今後の社会情勢としては主語は抜かないのが正しい

言葉を省略してしまうのは、会社組織が長年醸造させた信頼関係からであり、その様なコミュニケーションがとれているのは素晴らしいことです。

 

しかし、

「今後、働き方も多様化していく中で、属人的な信頼関係を維持することは難しいのではないか」

「また、外国人就労者なども増えるにあたり、空気から理解させるのは無理がある」

「さらに、ゆくゆくはAIやロボットにも工程を理解させて人の代わりになってもらうのに、そのフロー図が未だに空気読めでよいのか」

などなど、現行の信頼関係だけでは乗り越えられない問題はすぐそこに迫っています。

 

いいところをとっていく

「主語がないから全てダメ」

ということではなく、「主語がないのにそこそこフローが回っているのはなぜか?」と考えることも大事だと思いました。

すでにある信頼関係の上に、何かしら強固なコンセプトを共有すれば柔軟性はありつつ堅牢な会社組織となるのではないでしょうか。

 

 

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

 

 

文章を書くことへの緊張がゆるむと 、文章は読み手にとってわかりづらいものになりやすい 。そういう文章が頻繁に大量にやりとりされていることが 、メ ール文書の最大の問題点だ 。メ ールの原則は 「わかる 」ことだ 。ほんの数行でも 、何ペ ージに及ぶメ ールでも 、公式でもプライベ ートでも 、この原則は変わらない 。

この本を読んで今回の話を思いつきました。

現在プライムリーディングで読み放題なのでおススメです。

『超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由』を読んで

最近、やけに

「筋トレすれば仕事もうまくいく!」

「筋肉は裏切らない!」

とかいうタイトルの本がスポーツ書コーナーに増えたなと思っていました。

 

ちょうど、『超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由』がプライムリーディングに追加されたので、どんなものか読んでみました

 

超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由

超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由

 

目次

 

ざっくりあらすじ

ざっくり言えば「筋トレをすると体調も良くなり、ひいては仕事も上手くいくようになる。」という主張の本です。

 

そして、ことの真偽を著書であるTestosterone氏と、スポーツ科学研究者の久保氏で緩く議論していきます。

 

科学的に説明するため、細かいデータも出てきますが、話し言葉で書かれているのでサクサク読みきれました。

 

メンタルにも効くの?

結論から言うと、「筋トレはメンタルにもよい効果があるけど、あくまで補助的な役割」と言えます。

 

精神面の健康 、つまりメンタルヘルスが不調をきたすと 、焦燥感や不安感に襲われたり 、自己肯定感が低下したりといった症状が現れます 。深刻な精神疾患の場合以外でも 、こうした症状が重なって 「死にたい 」という感情にまで高まってしまうことがあります 。個々の焦燥感や不安感の元となるストレッサ ーを取り除くことができれば一番良いのですが 、それは簡単なことではありません 。ただ 、筋力トレ ーニングには 、メンタルヘルスを向上させる働きがあることが 、多くの科学的研究によって裏付けられているのです 。

 

メンタルの問題がある場合、根本解決は難しいけれど、筋トレで補助的にメンタルヘルスを改善していくことは着手しやすい。だから、運動を始めようということです。

 

まだ体力が残されている人向け

全体的に納得がいく内容でした。

ただ、何人かメンタルを病んでいる人たちを見てきた自分としては、まだ体力が残されている人向けだなと思いました。

 

というのは、本当に参っている人はウォーキングもままならない場合が多いのですよね

その辺は、本誌でも一応注釈がついていました。

 

余力のある人はさらにステップアップできる

筋トレによりメンタルヘルスの向上を図ることができ、さらに仕事も上手くいくようになると本誌は続けています。

 

営業ノルマを達成するプロセスも 、ベンチプレス 1 4 0 k gを達成するプロセスも 、本質を見れば同じなのである 。目標を設定し 、それを達成することに快感を覚えるゴ ールオリエンテッド (目的志向型 )な人は 、どの分野においても成功しやすい 。

 

つまり、「筋トレを効率よくやる人は、仕事に取り組んでも効率よくやりきる習慣がついている」ということです。

 

たしかに、筋トレで幸福物質やら成長ホルモンやらを出しながら、なおかつ物事に効率的に取り組む習慣も身につけられるのなら大変理想的です。

 

Testosterone氏の一言コラムが面白い

本文の所々に結構な頻度で挟まれる一言筋トレコラムも面白いです。

 

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非常に端的なので誤解も生みそうですが、さりとて筋トレにはこういう勢いも大切だよなと感じさせられます。

 

息抜きの漫画にもちょっとした発見がある

コラムの他に漫画も挿入されています。

「筋トレで人生変わった!」というわかりやすい筋ばかりですが、目新しい発見もありました。

 

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以前なら感じの悪い人に出会ったとしても、「私がつまらなくさせちゃったのかな…」って自分を責めてたのですが…

もうそういうのやめたんです

 

「自分を責めない」

この考え方を維持することは

やっぱり体力が必要なので

これからも筋トレを続けていきたいですね!

我を通すことは大切だけれど疲れるもの。

それに耐えられるように体力をつけておくということ。

結局、どちらも大切なのです。

 

メンタルにも言及が多くて満足!

そもそも、筋トレの指南書ではなく、「筋トレが体にいいことを科学的に説明する」のが本書の目的なので、メンタルへの言及も多いです

対談に漫画にコラムにと、構成は盛りだくさんなのでオススメです。

認知のゆがみを防ぐ「でも」テクニック

amazon prime『マンガ 敏感すぎて、「毎日がしんどい」を解決する5つのメンタル術』を読みました。

会員タダ読み期間になったのでオススメです。

 

マンガ 敏感すぎて、「毎日がしんどい」を解決する5つのメンタル術

マンガ 敏感すぎて、「毎日がしんどい」を解決する5つのメンタル術

 

ゆうきゆう医師は、女性とのトラブル報道がありましたが、「ゆうきゆう監修の精神医学マンガ」の方はおもしろいし、わかりやすいです。

 

今回は、最近ぼくが考えている「HSP」(敏感すぎる人)についてのマンガなので特に集中して読み込んだことをまとめます。

 

目次

 

HSPの人は自分を責めやすい

 

「自分はここにいていいのだろうか?」

「なんとなく嫌われている気がする」

というのは、Hの人特有の「あるある」です。

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でも、これは自分の中で拡大解釈をしていますよね。

これを「認知のゆがみ」といいます。

 

「認知のゆがみ」を治すために「でも」と反論してみる

 

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「認知のゆがみ」はやっかいですが、大抵思い込みです。

なので、「でも、本当に?」と反論すれば結構簡単に論破できます。

 

こうして、「認知のゆがみ」にとらわれずに物事に向き合おうというテクニックです。

 

自分の思い込みを「でも」で論破していく

 

テクニックは以上ですが、実際論破していくのは爽快な作業です。

なぜかというと、ぼくたちHSPは既成のものを論破することは少ないから。

だから新鮮な体験なのですよね。

 

HSPはどちらかというと論破されることが多いと思う

 

どちらかというとHSPは職場で論破される側だと思うのです。

 

「他人が気がつかないとこに気づいて、」

「気づいたことに一つ一つ対策をうって、」

「そうやって、あれもこれもと、とりとめもなくなってしまった案を上司に持っていって、」

上司からは、「でもさ、今そこ心配する?」「それ以前に、ここはどう考えたのさ?」

と、繊細に組み上げたものをひっくり返される。

 

ぼくは結構そういうことがあります。

 

HSPではない人の感覚を理解できる機会にもなる

 

「でも」「でも」と続けることで、思考の迷路にはまることを回避できます。

 

先の上司のような意見も、「でも、問題点の順位付けに付き合ってくれたから協力的ではあるよね。」と思い直すことができます。

 

さらに、「上司は私のことを嫌いだから難癖ばかりつけるんだ!」という、よくある「認知のゆがみ」を持つのを防ぐこともできます。

 

それに、「でも」と繰り返すことで、自分を客観的に俯瞰しやすくなります。

ここで客観視することで、HSPではない人の感覚を疑似体験できることも一つの価値です。

 

HSPの繊細な感覚は大切」と、アーロン博士は言ってくれましたが、それでもこの世の中の大半を動かしている「非繊細な人たちの感覚」がどんなものかを日々理解することは必須だと思うのです。

 

 

マンガ 敏感すぎて、「毎日がしんどい」を解決する5つのメンタル術

マンガ 敏感すぎて、「毎日がしんどい」を解決する5つのメンタル術

 

他にも、さまざまなHSP攻略法が載っています。楽しいギャグ漫画形式なので30分くらいで読みきれますよ。

 

服の素材を意識することで豊かになった

前のエントリで、「MBのファッションコラムで服への意識が変わった」ということを書きました。

 

いろいろ変わったことの一つに「素材」というものがあります。

 

目次

 

「白いシャツ」一枚でもいろいろある

たとえば「白いシャツ」といっても、いろいろな白いシャツがあります。

 

織りに凹凸があるのか

光沢はあるのか

ボタンダウン

裾はインするような丈なのか

などなど…

 

光沢があればドレスっぽい要素を足せますし、ブロード織りでボタンダウンであればホッコリした季節感を足せます。

 

ぼくはMBのコラムを読む前は素材感を全く考えていませんでした。だから、自分でコーデを組み立てても「悪くないけどなんかチグハグな感じがする」と残念に思うことが多かったのですよね。

 

でも、チグハグの原因は自分だけでは気がつけないのです。

「まあ、こういうのってセンスだし、量をこなすしかないよな。」と、単純に思ってオシマイにしていました。

 

意識すると目が利くようになる

今まで、服を見るときに素材をあまり見てこなかったので、いざ意識するといろいろな素材の違いを感じられて楽しいです

 

スウェット一つとっても、

「目が詰まって光沢もあるから、楽だけどラフになりすぎなくてよいな」

「ウールっぽい風合いだから冬の季節感が出ていいな」

「ザラッとしたコットンだから本当にラフに着たい時にはコレだな。」

とか、具体的に考えることができるようになったのですよね

 

「素材=機能性」だと思っていた

今までも素材を気にしていなかったわけではないのです。

ただ、「素材=機能性=コスパ」だとしか思っていませんでした。

 

「麻のシャツは汗じみが目立つし、洗濯も気を使うからコスパが悪い」

「靴下は通年同じものにして、片方がダメになってももう片方だけ取り替えればコスパがいい」

「ポリエステルや化繊は静電気が体に溜まりやすいからコスパが悪い」

 

という、とにかく機能面とコスパ面からのみで素材を語っていたなと思うのです

 

確かに機能もコスパも大切です。

エアリズムとか、ステテコとか超機能的ですし。

ただ、素材感から服を選ぶというのも楽しいということが発見でした。

 

他にも役に立つ服選びのネタが詰まっている本です。オススメです。

メンズファッションの解剖図鑑

メンズファッションの解剖図鑑

 

MBのファッション記事がためになる

WEBの日刊SPA!で連載中している、MBのファッションコラムがおもしろいので、2年ほど読んでいます。

 

簡単にオシャレを楽しむには、センスよりもロジックが大切。そのロジックを超わかりやすく解説します。」という趣旨のコラムです。

 

出てくるアイテムも「ユニクロ」「GU」などのプチプラブランドばかりなので真似しやすいんですよね。

 

メンズファッション雑誌では紹介されないロジックで毎回楽しませてくれます。

 

目次

 

例えば「三首の法則」

 

「法則」といっても、「首、手首、足首を出すことでメリハリのあるスタイルを作ることができる。これは先端を注目してしまうという人間の習性を利用したテクニック。」と、言葉にしてしまえばシンプルなことなのです。

 

でも、そんなことはファッション誌も服屋の店員も教えてくれませんでした。

 

同じジョガーパンツを勧める場合でもアプローチが違う

ここ数年人気のジョガーパンツにしても、ファッション誌などとは違いわかりやすくロジカルに説明してくれます。

なぜここまで「ジョガーパンツ」が人気なのか? それはジョガーパンツの特徴である「裾」に秘密があります。パンツの印象は裾で決まります。「シルエットが太いor細い」とアパレルスタッフは表現しますが、それらの印象は実は「裾」の比重がとても大きいのです。

言ってることがわかりやすいのですよね。

 

ファッション誌や店員は大切なことを教えてくれなかった

これが、ファッション誌や店員だと

今、ジョガーパンツが流行ってます!◯◯のジョガーパンツは発色がキレイなので色違いで揃えるのもアリです!

というように、いきなり紹介されることが多いです。しかも、「じゃあ、ジョガーパンツってなにがどういいの?」という一番大切なことがまったく語られていないのです。

 

あと、最初から買うのありきで話をされると、こちらも「そもそもジョガーパンツってなにがいいの?」ということも聞きづらくなります。

これでは、「適当に流行りのアイテムを着てもサマになるような元々スタイルいい人」か、「雰囲気イケメン」くらいしか救われません。

 

「なぜこれがよいのか?」ということを気にするようになった

正直、今までは「流行っているものを買えば、単純な新鮮さからイイ感じになるんだろ?」という態度で服を買っていました。

でも、それだけではないということが、恥ずかしながら今更理解できました。

 

例えばワイドパンツが流行ったら、「日本人に合うシルエットか、素材感はどうか、季節感はでるか」など、いろいろ気にするようになりました。

服を選ぶのが楽しくなったのですよね。

 

日刊SPA!の連載は細切れですが、一気に技を読むなら書籍がオススメです。

 

メンズファッションの解剖図鑑

メンズファッションの解剖図鑑

 

本は数冊出していますが、これが一番とっつきやすく読みやすいです。

ただ、写真はなくイラスト中心なので、具体的になにがどうなるか想像できないときは日刊SPA!の連載を眺めるのがよいと思います。

(無料ですし。)

 

「けものフレンズ」ゆらゆらしたCGの動きに見入ってしまう

アマゾンプライムで見放題になったので、今更ですが「けものフレンズ」を一気に見ました。

 

けものフレンズ オフィシャルガイドブック プロジェクトの軌跡
 


IQが溶けるユルさ」や「サーバルちゃんカワイイ」という前評判通りの良さがあり、大満足でしたので、よかった点をまとめました。

 

目次

 

安心して見られる

物語を動かすためには、なにかしらの「事件」を起こさなければなりません。

でも、この「事件」というのがくせ者で、見ている方がブン回されるようなドテライ奴だと、見てて超疲れます。

ぼくは物語にブン回されるのはあまり好きではないのです。

 

けものフレンズは、どちらかというと平坦なのですが、見せ方が上手いなと思いました。

深刻なシーンも、ぼくの感覚ではペンギンの回と最終話くらいですし。

 

なんで見入ってしまうのか

正直、もっと作画などに熱がこもったアニメは沢山あると思います。

でも、なんかそういう熱が窮屈に感じるときもあるのですよね。

けものフレンズは適度に隙があるところがいいなと思いました

 

CGのゆらゆらした動き

ストーリーなど、いろいろなところが緩くて、見ていて疲れません。

それでいてヨソ見せずに(手元のリモコンも押さずに)見ることができるのは、CGらしい動きによるところなのかなと思いました

 

絶妙な間がある

ゆらゆらとした、「CGらしい自然な動き」から、たどたどしい語彙の「すごーい!」とかいう言葉が出てくる。

これってなんか可愛らしく感じてしまうんですよね。

ゲームとかでもCGのキャラが話すときってなんかゆらゆらと画面に出てきて話し出すじゃないですか

ああいうふうに、「画面にゆらゆらとしたCGが出てきたら、話をきく準備をする。」という習性が、今の人の中にもう回路としてあるんじゃないかなとぼくは思います。

そして、「けものフレンズ」はその習性を上手く突いてきているなと思うのです。

 

だから、平坦な筋書きでもヨソ見せず見ることができるのだと思います。

 

けものフレンズ2」はどうなんだろう?

けものフレンズ」が楽しかったので、現在放送中の「けものフレンズ2」も見てみました。

 

ぼくは今更「1」を見たくらいの人間ですから、別にキャラ萌えとか、たつき監督問題とかには思い入れはありません。

 

ただ、「CGのたどたどしい動き」や「筋書きの平坦さ」はシャープになったなと思いました。

 

作画の動きにも、話の筋にも全てに「メリハリ」が出て、「パッケージとして整ったアニメになった」と思います。

 

あの隙をもう一度見たい

「2」がよくないわけではないと思います。

ただ、独特な脱力感は「1」の方が強かったかなと、見ていて感じます。

 

そして、「やっぱり、あの独特の隙のある演出のままで2を見たかったかなー。」と、叶わないことを考えてしまうんですよね。

 

隙を埋めればよいわけではないけど…

「2」については制作側として会社として、「1」よりも多額のお金が動いたと思われます。

だからこそ、「隙を埋めることでパッケージとして完成させて、収益回収を安定させたい」という企業らしい考え方もあったのだろうなと思います。

 

「あのユルさ」に名前がついて欲しい

「1」のユルさが「けものフレンズ」のキモであり、それが「1」の収益につながったという事実を認識しているか、していないか。

認識していれば「2」も今とは違うものになったはずです。

 

認識していたけど敢えて違うものを作りたかったのかも

もしくは、「1」のユルさや良さを充分認識してはいたものの、敢えて新しいものを作った可能性もあります。

というのは、「1」のとらえどころのない魅力というのは外に展開するときに再現できない可能性が高いからです。

「展開する」というのは具体的に言うと「メディアミックス」です。

「メディアミックス」する際に、各メディアに持ち運べない「クセ」のようなものは予め除外したのかもしれません。

 

言語化できないことは認識し難い

どこの職場でもよく起こることですが、言語化できないことは軽視されがちです。

特に、今回のような新しいタイプのユルさは、とらえることが難しいので、チームで同じものを作ろうとしても難しいのだと思います。

 

叶うなら、「あのユルさ」にジャンルとして名前がついて欲しいなと思います

そうすれば、「あのユルさ」が市民権を持ち、ああいうコンテンツが増えるからです。

それに、その種のコンテンツのノウハウが増えれば安定した「メディアミックス」の手法も整います。そこさえ整えば企業も強気に出ることができます。

 

冒頭に書いたように、ぼくは物語にぶん回されるのが好きではないので、そのような流れは大歓迎です。

前の職場を早く辞めておけばよかったなという話(「Chikirinの日記」感想)

 

要は、「どこでも通じる強みがあれば、無理に合わない職場で働き続けなくてもよいし、軽やかに生きていける。」というようなことが書いてありました。

 

このエントリをよんで、早くやめておけばよかったなということがあります。

 

前の職場です。

今の職種ではじめての職場だったので辞めどきがわからなかったというのもあります。

 

最初は「熟達した人がしっかり引き継ぎをするから大丈夫!」ということでしたが、実際入ってみたら長期休職ですぐにいなくなってしまい…。

 

よくわからないまま、とにかく業務を進めなくてはと数年がんばりましたが、味方は増えないし、雑用は増えるし…。

 

なんで早く辞めなかったのかと今は思います。

 

なので、今回はなぜ辞められなかったのかを棚卸しします。

 

目次

 

不況で離職できなかった

そもそも、ぼくは就職氷河期の出なので、「職を自分の都合で選ぶ」という考え方が極めて薄い人間なのです。

しかもその頃はリーマンショックも併発していましたので、この職場の外はさらに焼け野原なのだろうなと思い、離職することができませんでした。

 

これに関しては、厳しい時代だったし仕方がなかったのかなと思います。

 

そもそも歓迎されていなかった

これが一番大きいかもしれません。

経営者が現場と相談せず、一方的に決めたそうです。

入社日に「今日からなんですか?!」と、これから同僚や上司になる人らに驚かれました。

 

せっかく勝手を知った職場を手放したくない

あまり歓迎されていない職場でしたので、自分で一つ一つ業務を分析していくこととなりました。

その結果、ファイルの一つ一つにも愛着ができたのですよね。

入った頃はどこに何があるかも誰も教えてくれなかったので、「やっと自分のものになったぞ」と思いました。

なので、今度はやっと分析した仕事をやめたら、また次の職場も一からやり直しだと思い、やめることができませんでした。

 

これに関しては、今ならさっさと止めればよかったなと思います。

普通、入ったら資料の場所くらい教えてくれますから。教えられなかったのは、単に歓迎されてなかっただけなんだろうなと思います。

ただ、当時は経験がなくて、そうは思えなかったのですよね。

 

「あの人より先にやめたくない」という思い

なんとか業務をものにした後、次は「教えてくれなかった人たちより先にやめたくない。」と強く思いました。

 

自分は「業務をものにする」というヤマを越えたわけですから、簡単には手放したくないわけです。

で、周りを見回すと、彼らも別に今の職場に固執しているようには見えなかったんですよね。仕事中ずっと転職サイト見ていたような人たちだったので

 

だから、「彼らがいなくなって、新しい人の割合が増えれば、自分にもこの会社に居場所ができる」と思い、その日まで辞めないことにしたのです。

 

ただ、それは甘かったなと今は思います。

そういう、「(歓迎はしないにしても)入ってきた人に何も教えず転職サイトを見ているような人たち」は、次に雇ってくれる会社がないので出ていかないのです…。

 

当時のぼくが考えるべきだったこと

以上を踏まえ、ぼくがどう考えるべきだっかをまとめました。

そもそも、「ぼくを歓迎しなかった人たち」と仕事をスタートすることがすでに効率的ではないし、ぼくもその評価をひっくり返せる程の技量はなかった。

・そこで対立することで膨大なエネルギーを使った。他の建設的なことで使えば良かった。

 

メリットはあったのか

一応、当時感じていたメリットはありました。

相手にされない分、ある程度自由がきいていた。

・立地や就業環境は悪くなかった。

でも、これで職場の根本的な問題をペイできるかというとそうではなかったと思います。

 

そもそも、その職種が初めてだったのに、業務を理解した上司がいなかったということを「ある程度自由がきく環境」ととらえてしまっていたことが間違いです。

そこは、「成長の機会が少ない環境」ととらえるべきだったと今は思います。

 

やはり早く辞めるべきだった

結局、不況もやわらぎ、なんとか外に出られそうになったところで、ぼくは職場を辞めました。次を決めたうえで。

 

もっと早くやめておけばよかったと思います。

 

ただ、現在その状態だとなかなか思い切れないのですよね。

そこで敢えて攻めることができるのが、「Chikirinの日記」にあるように「強さ」なのだろうなと思いました。