まじめんたる

モノ、コト、サービスについての体験を書いています

叙情的な文章だけが名文ではない「伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)」を読んで

世の中には

「最強のメールの書き方」

「絶対に通じるクレーム対応」

などの各種文章の書き方の本があふれています。

 

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

 

 

対してこちらは包括的な文章の書き方の本。

著者は小論文の講師をしているとあり、アカデミックなことが書いてあるのかというと、逆でした。

「包括的であり超実践向き」です。

 

プライムリーディングで感激できたので感想を書きます。

 

まとめ

 

叙情的な文章だけが名文なのではない

メ ーカ ーにクレ ームを書く 。この場合のゴ ールは 「言ってやってスカッとした 」でも 、メ ーカ ーを責めることでもない 。どうしたら 、窓口ではねられず 、製作担当者に検討してもらい 、次の商品づくりに反映してもらえるか 、つまり結果を出すことだ 。今日も 、そうした教科書に載らない名文が 、どこかで書かれている 。おかげで 、電車は走り 、ビルは建ち 、宅配便が届き 、世の中がまわっていく 。状況の中で 、人との関係性の中で機能し 、望む結果を出す文章たち 。それらは 、花のように美しくはないが 、人を動かし 、よく状況を切り開く 。いわば 、機能美の文章だ 。

ここまで読んで唸りました。

ぼくは今まで叙情的な文章こそが優れていて、普段仕事で書いているメールのような、ただの連絡文はとるに足らないものだとしか思っていなかったからです。

 

どの文章にもそれぞれのゴールがある

たとえば、正直なところぼくは仕事に関心がありません。

本当は本を読んだり、創作したりして生きていきたいけれど、そうもいかないから会社で仕事をしています。

本当の本当は、そう言い切ってしまうのに逡巡するのですが、まあ本音はこんなとこだと思います。

 

なので、上司が仕事で説明文なり報告文なりを書いていても、

「過不足なく書けているけれど、仕事で発生するような定型な事象をただ文章に落としているだけ。」

くらいにしか思っていなかったのです。

 

でも、「仕事で書く文章のゴール」というのは決まっています。たまに遊びで叙情性を入れることもありますが、それはスパイスにしかならないのですよね。

 

それぞれの文章は尊重されるべき価値がある

大切なのは「この文章は誰に、なんの目的で書いたものなのか?ゴールはなにか?」をハッキリさせること。

また、事務的であれ定型的であれ叙情的であれ、それぞれの文章は尊重されるということです。

「定型的だから下らない。」とか、そういうことではなく、人間の営み自体尊重されるべきものですから、その営みから発生した文章もまた尊重されるべきなのだなと思いました。